認知症介護における「質の高いケア10項目」とは?再確認をして相手と自分の良い関係を築こう

連続で来ていた台風後、とても過ごしやすい気候になりそれだけで夜の寝苦しさや日中の過ごしやすさから身体がとても楽になりました。

今回は、最近読んだ『よくわかる高齢者の認知症とうつ病』長谷川和夫、長谷川洋さん著から認知症介護をする上で「質の高いケアとは」という項目があったので、母に対して自分が普段の態度を見直してみました。

認知症だけでなく介護というのは人と人の関係。お互い感情があるので上手くいかないことも多いですが、この10項目を見直してみた結果と私なりの考えとともに書きたいと思います。

 内容が似ているところは、項目を合わせて書かせていただいております。

1、自分の価値観で判断しない

2、相手を批判せずにそのまま受け入れる

3、相手に関心を持っているという姿勢を示す

4、相手のペースに合わせる

5 相手の気持ちを大切にする

6 相手が事実と違うことを言ったとしても訂正しない

7 相手の話を遮らない

8 秘密や約束は守る

9 話したくないといった内容は重要であってもそれ以上は聞かない

10 つらい体験や苦悩が語られる時には深く共感しながら傾聴する

『よくわかる高齢者の認知症とうつ病』長谷川和夫・長谷川洋 著

1、自分の価値観で判断しない 5、相手の気持ちを大切にする

自分の価値観で判断していたこと、母の認知症がわかったとき私が介護初心者の時に本当によくあったと思います。

自分の価値観で判断してしまう原因としては、

・きっと母に聞いても理解できない

・きっと嫌だろう(私の過去の記憶)

・母に言ってめんどくさくなったら嫌だから、こうしておこう

 そんな私の思いこみ、「きっと~だろう」ということで終わらせている自分がありました。

ある時、母が言ったのです。

「なんでも勝手に決めて、理解ができない、ついてけないわ!」って

私は母の意見をめんどくささから、無視していてそれを母も感じていたんですね。

それからは、答えが出なくても「〇〇どうする?」と聞くようにしています。

2、相手を批判せずにそのまま受け入れる

 日々介護をしていると、どうしてもうまく母ができないことはいろいろあります。

レンジや、コンロはあまり使って欲しくないと思うのですが、使わないでね!と言ったことを忘れてやっぱり時々使ってしまいます。

レンジでは、ゆで卵をレンジに入れて爆発させたり、認知症になる前なら絶対しなかったことをできなくなっています。

レンジは黄味だらけ、でもそうしたことを忘れてレンジはそのままなので帰ってびっくり!ということもたまにあります。

でも、多少は「何したの??」と聞きますが、ある程度想像できるので

温めたかった→少しその場を離れた→温め時間を多く回しすぎて爆発

そんなシナリオが見えてくるので責めることはしないようにしています。

レンジは置くのをやめたら?という声も聞こえてきそうですが、全然使えないわけではないので

オーブンや時間の10分刻みを押さないよう工夫して使ってもらうようにしています。

3、相手に関心を持っているという姿勢を示す

母との関係の中で効果のあった1つだと思います。

不思議と、忙しくしている、あまり声をかけず私が母の食事や粗相をした片付けなどをしている時に限って、機嫌が悪かったりするのです。

やらないといけない身の回りのこと>母への関心

やらないといけない事にフォーカスすると、母の機嫌が悪くなり余計いろいろ物事を進めるのに時間がかかるということがわかりました。

それから、母にちゃんと向かい会話をちょっと増やす、母の食事をしている横についている、そんなことで驚くほど母が穏やかになった気がします。

4、相手のペースに合わせる

病院の通院の時、いつも私が付き添うようにしています。

診察券やバス券、全部私が持って管理するようにしているのですが、母は自分のバックにいろんなものを詰めます。

メガネが3つも入ってたこともありました(笑)

なくてもいいバックですが、母にとっては安心材料。そのバックの中身を入れたり出したりの繰り返し、なかなか外出ができません。

だけど、そこで急がせてしまうと、母はパニックになってしまいます。

朝の忙しい時にそれはさすがにイライラしちゃいますが、できるだけ母のペースに合わせてあげることが大切だなと思っています。

6、相手が事実と違うことを言ったとしても訂正しない 7、相手の話を遮らない

親が認知症になったら直面することで、同じことを言ったり、事実じゃないことを言ったりすること。

人間って不思議なもので、違うことを言うと正しいとことに訂正したくなる。

何度も同じことを言われると、やっぱり疲れてくる・・・

 

 母の認知症がわかって、違うことを言ったりしたときに「そうね」と訂正しないでおくことは今でも私の中の課題です。

それと同時に、行ったことのないところに行ったと言ったりすると思わず、「行ったことないでしょ!」なんて言ってしまうんですよね。

言葉を遮られるのは、認知症ではなくても嫌ですよね。私も逆の立場で話を遮られるのはいい気持ちはしません。

これは介護の方法ではなく、人と人との関係の当たり前のこと。

介護をしていると、普通の時には気をつけていることを、忘れがちになってしまい常に心に留めるようにしています。

8、秘密や約束は守る 9、話したくないといった内容は重要であってもそれ以上は聞かない

認知症の方でも相手は一人の人間です。6、7に共通しますが本人が話して欲しくないこと、逆に話したくないといった内容を無理やり聞かない。

話したくなったらその人からきっと話してくれます。それまで、待つことも大事なんだなと。

私は母との間では、この秘密ということを聞く機会がありませんが、母が隠しがっていることは勝手に話したりはしないでおこうと思います。

秘密を守るということは信頼関係、信頼関係のある介護はお互いが楽にその人らしく生きられると思います。

10、つらい体験や苦悩が語られる時には深く共感しながら傾聴する

 認知症は近い記憶を覚えていることができなくても、昔の記憶はしっかり残っていることがあります。

過去に経験したことは、娘の私が知らないこともあります。母の小さなときの記憶で、自分の親に対する思いなどをちょっと語ったことがありました。

私の祖母にあたる人には私は会ったこともありませんが、ただ黙って聴いたことがあります。

聞き苦しい話や、聴きたくない内容だったとしても、ただ寄り添って「うん、うん」って聴いてましたが、逆に聴くことしかできなかったです。

この10項目は、本当に理想的なことだと思います。

人と人との付き合い、介護もそうですが普通の人間関係、会社や友達関係の中でも大切にしていきたいですね。

認知症の問題視されている行動も、これらを実行できるならその行動はかなり減るのではないかと思っています。

次回は、その「人」を中心にするケアについて触れたいと思います。

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