母は、認知症が進むにつれて同じ服を頻繁に着るようになりました。その理由の1つに、自分で着る服を選べて着れなくなってしまったということがあります。
認知症になると、判断能力が失われていくため、私達は当たり前に行っているような着替えの作業も、複雑な工程を経て、行われているため母には難しくなり、前日脱いだ服をまた同じように着るということが起こってしまうのです。
毎日違う服を着なければいけないとも私自身は思ってませんが、朝は寒くなった今の時期にも、タンクトップと上に長袖だけを着てたりすることがあるため、これはいけない!ということで急いで着替えさせます。
でも、私も仕事をしていて朝はけっこう忙しい。
なんとか何枚か重ねて来て欲しいので、母が自分で服を着ていけるように服の収納を見直したことをご紹介します。
もくじ
認知症にとっては服を着るのも一苦労
認知症をあまり理解していない頃、本当に当たり前のように無意識にできていた”服を選んで着る”という言葉にすれば一文で終わってしまうような簡単な作業が、認知症が進んだ母にとっては高度な作業になることがわかりました。
ー服を選んで着る手順ー
1、今の季節を理解する
2、季節にあった服を選ぶ
3、下着や服、それぞれの機能を理解する
4、機能の順に服を重ねていく
文字に書くと、余計複雑な感じはしますが一番難しいのは、”今の季節”を理解すること。
そして、どれくらい着込めばいいか自分で調整するということ。
年齢が進むと、体感温度が鈍くなり真夏でもそれほど暑くない、寒くてもちょっと寒いかな?となってしまうのです。でも、身体はしっかり暑かったり、寒かったりするので熱中症になったり風邪をひいいたりします。
介護者がそこのフォローをすることが必要となります。
服を自分で着てもらうのは理想、だけど・・・
同じものばかり着てしまうけど、やっぱり洗濯もしたいですよね。なので、母が気に入ったユニクロのセーターは2着色違いで購入したりしました。
他にも、同じものがいくつかあります。母が連続で着ていても、洗うことができるので同じものを持っておくというのはオススメです。
本題の着替えについてですが、理想としてはよくこんなことが書かれています。
*「今日は何を着ますか?」と尋ねて2種類ほどから選んで着てもらう
*着る物を1枚ずつ渡して着てもらう
これは、時間があればぜひそうしてあげると認知症の方も安心すると思います。
でも、着替えは朝なので、私は仕事に行く準備などで自分のことで忙しいのです。
余裕を持って起きればいいんじゃない?と言われそうですがそこはいったん脇に置いておきたいと思います。
だから、私の理想は、
”母自身でできるだけ自分で服を選び、寒くないようにある程度の枚数を重ねて着てほしい”
そこで考えたのがメモを貼った収納ケースを使うことです。
衣類収納棚、まだまだ母には馴染みのないもののようで
今回私が使ったのは、無印のストッカーケース。4つの引き出しはこのように使いました。
1段目:ヒートテックなど、薄手の長袖下着
2段目:ハイネックや長袖のカットソーなど
3段目:セーターや厚手の衣類
4段目:ズボン
そして、引き出しにメモも貼って母にもわかるようにしました。
私の意図としては、一番上から順番に選んでいけばそこそこ暖かい格好に仕上がるというものです。
ただ、もともと服が入っていた引き出しが横にあるため、母に馴染みがないようでケースには一部の服を入れてるのですが、2、3日連続の服を着たり、昔から使っているタンスに行ってしまいます。
でも、最初にここの引き出しの上から順番に選んで着ていってと声をかければ、自分で着れることも。
そこまでするなら、服を1枚ずつ渡していったり、並べておいておくほうが楽かもしれませんが母が自分でできることはできるだけしてほしいと思っているので、自分がラクになるだけじゃない母のリハビリも兼ねた方法と言えるかもしれません。
この収納棚は、母の記憶に入るまで時間がかかるかもしれません、もしくは入ることはないかもしれませんが、それでもしばらくは試してみようと思います。
今日も私も母もチャレンジの毎日です!